「ねぇ、その腹筋触っていい?」
「はぁ??」
「ははっ、俺のならいいよ?」
と力を入れてくれる拓哉。
そっと触るとカチカチでほんとにお腹なの?と思うぐらいだった。
「すっっごいね....。」
「まぁ、鍛えてるしね」
そう言いながらソファーに座り腕の傷の手当てをしだした拓哉
あ、私みんなの手当てしに来たんじゃん...。
「拓哉!私が手当てするよ、貸して?」
拓哉から消毒液と包帯を奪い取って手当てしていく。
改めて見る生々しい傷に眉をひそめると
「大丈夫、自分でできるよ」と包帯に手を伸ばしてきたので
「ごめん、痛そうだなって思っちゃっただけだから」
そう丁寧にできるだけ痛くないように傷口の血を綺麗にしていく。
そのあと塗り薬、ガーゼをつけて包帯を巻いて止める。
「ありがとう、はる。」
「私にできる事ってこんなことしかないから、お礼なんていいのに.....。」
「それでもはるが俺達を思ってくれてるって事だから嬉しいよ」
そう私の頭をポンポンとしてくれる。
「じゃー僕も頼もうかな?背中がなんかヒリヒリするんだけど自分ではよく見えなし遥香、見てくれない?」
「うん‼手当ては任して!」
風翔の背中を見ると何か鋭いものでやられたような傷が背中の真ん中から腰にかけて大きく赤い線が出来ていた。
「これ、なんか刃物とかでやられた!?背中の真ん中あたりから腰まで1本の線?の傷があるんだけど.....。」
傷の大きさや形から見てそんなもので傷ついたように見えた