雷獣の倉庫に着くといつもより人がいるせいかざわざわしていた。
軽傷の下っ端君が集まってお互いに傷の手当てをしていた。
拓哉が倉庫に入るとみんなから声がかかる。
「お疲れ様でした‼」
「総長、やりましたね‼」
「カッコよかったっす‼」
皆の目を見ていると拓哉を”尊敬”の眼差しで見ていた。
「傷がひどい奴は金城の車でそのまま病院に向かってもらったが皆大したことはなさそうだ、しばらく安静にしていれば治るって連絡が来た。
その傷で親に心配かけるから帰れねーってやつは倉庫に泊まっていいが全員分の布団はねーぞ。雑魚寝になるからけど好きにしろ。あ、連絡は入れとけよ。
んじゃとりあえず解散。」
下っ端君達に言い階段を登る拓哉の背中は私が見たことない姿でなんだか疎外感を感じた。
拓哉に続いて階段を登る夏惟、風翔そして岳人。
岳人の服の裾を掴んで引き留める。
「ん?どうした?」
「私、下っ端君達の手当てしてくる。私ができる唯一の事だと思うから。」
「分かった、終わったら上来いよ」
「うん、ありがとう」
私はさっそく色んな下っ端君達を手当てしている剛の元へ行く
「剛!私も手当てする、それ貸して?」
剛が使っていた消毒液と包帯を指さす
「いやいや、遥香さんが手当てするのは総長達っすよ!」
何言ってるんですか?と言いたい顔をしていた。