下に降りてバイクの乗るよう指示する。
もうお終いだと思ったその時........
カンカンカンカン。
この人でもない、私でもない足音が聞こえる。
「んん?」
しっかり中村の耳にも聞こえたようで苦言な顔で辺りを見渡す。
「その子の手、放してくれない?」
倉庫の入口に黒いフードを被った男が立っていてその人が話しているみたいだ。
「なに?お前誰?」
中村がその男に話しかける。
フードを深くかぶっているせいか顔が見えない。
「まぁ、誰だっていいじゃん。そここの手離して。」
「いや、この子は紫虎に連れて行くから。早くそこどいてくれない?」
そう言いながら私をバイクの後ろに座るよう言う。
大人しバイクに乗ろうとしたら
「じゃあ勝負しようよ。君が勝ったら大人しくこの場から去る。俺が勝ったらその子おいて行って?」
「え?お前に勝ち目ないけどいいの?知らないかもしれないけど俺、紫虎の幹部してるしそれなりに自信あんだけどいいのね?」
中村がにやっとしながらフードの男に近づいて行く。
「うん、大丈夫、俺もそれなりに強いから。」
「っざけてんじゃねーぞ‼」
そう言いながらフード男に殴りかかるが
その拳は男に当たることなく軽々ととその拳を受け止めていた。