下駄箱についてもまだ何を食べるか話をしてる拓哉先輩と風翔先輩。
「何食べたいか決まりました?」
「ラーメン」
「おろしハンバーグ」
うーん、見事に系列が違うご飯のジャンル。
私はどっちかって言ったら拓哉先輩のラーメンに1票かな?
「私はラーメンに1票」
「俺もラーメン気分」
「俺はどっちでも」
「じゃ、3対1で僕の勝ちね‼」
「んじゃ明日は和食で!」
そんな和やかなムードだったのに校門に寄りかかっているある人を見つけてから
空気が変わった。拓哉先輩が私を隠すように前に出る。
そして岳人がかぶっていたキャップを私に深くかぶせてきた。
向こうも私たちに気付いて声をかけて来る。
「やあやあ、皆さんお揃いで。」
「槇口....お前何しに来た。」
「おたくの”お姫さん”が目が覚めたはいいものの記憶がないって聞いてね
改めて挨拶をして思い出してもらおうかと思ってね。」
「あ゛?」
岳人が1歩前に出る。
「いやいや、そんなに睨まないでくださいよ
別に今度はどうもしようとなんて思ってないんですから~
ただ、あの時話した事とか思い出してほしいだけですよ~」
岳人が威嚇しても全然気にする様子はない。
「で、お姫さんに挨拶させてもらってもいいかな?」
「ダメに決まってんだろ、さっさと失せろよ。」
風翔先輩も対抗する。
思い出してほしいってことは私に関係があった人?
槇口って人を見ようとしてキャップを取ろうとすると
後ろにいた夏惟先輩がキャップを抑えている。
「取らないで、見ないで。」
敬語じゃない夏惟先輩、大人しくキャップから手を放す。