「好きなのっ!あたし!」



「俺もだよ…」




テレビの音が聞きたくもないのにリビングにいると嫌でも聞こえてくる






「おねー!みて!遥くん!きゃー!!!ちゅー!してるよ!」


妹の璃奈がソファーで足をバタバタさせながら私の顔とテレビを交互に見ながら言った



「本当になんでこんなかっこいいのー!こんなひと彼氏に欲しい!ねっ!おねー??」


同意を求めて欲しいのか上目使いでねっねっ?と何回も聞いてくる


「こんなん、彼女がかわいそうなだけだよ」



ぼそっと私が呟くと妹は頬をふくらませてまたテレビを見始めた




私はリビングを出て、自分の部屋に駆け込んだ



「本当はあんなの……見たくないのに」