「凛ちゃん、それ本気で言ってる・・・?」

 「本気だけど?なんなら協力してあげようか?」

 彼女ができればふざけた態度も減るだろうし。

 「凛ちゃんって・・・」

 なぜか利久斗に憐れむような目で見られる。
 
 「なに?」

 「いや、それならそれで勇輝と綾乃ちゃんの方もそう思ったままでいっか✩」

 ほんとこいつは何を言っているかさっぱり分からない。

 「それで、あんたは誰が好きなの?」

 「んーそれはねー・・・・」

 と利久斗が言いかけた時。

 「凛ちゃんただいまー」

 笑顔の綾乃と怯えたような顔の勇輝が帰ってきた。

 「おかえりー」

 それにあたしは笑顔で答える。

 「勇輝どうしたの?」

 まだ気まずい雰囲気を漂わせながらあたしは勇輝に聞く。

 「あ、いやちょっとな・・・」

 そう言って勇輝は綾乃をチラッと見た。

 やっぱり、この2人は・・・。 

 さっきの考えが再びあたしの脳裏に蘇る。

 それなら協力してあげないとね!

 そう思いあたしは意気込む。そんなあたしに利久斗は気づき、

 「凛ちゃん頑張ってね✩」

 と言った。

 お前も手伝えよ・・・と思ったがあたし言うのをやめた。




 それからあたしは1日頑張ってはみたものの上手くいかず、逆にいつもより勇輝と一緒にいることが増えたような気がした。まぁ、そこに必ず割って入って来るかのように利久斗が来たけどね。

 帰り道、あたしは気を利かせようと勇輝と綾乃を並ばせたはずなのに、なぜか知らない間に勇輝があたしの隣を歩いていた。