その後、綾乃は勇輝と教室から出ていった。

 時々勇輝と綾乃って2人きりで話すことあるなぁ・・・。思ったより2人って仲がいいのかな?

 あたしは勇輝と綾乃のことを考えていたら1つの答えにたどり着いた。

 もしかして!綾乃って勇輝のこと好きなのかな!!いや、もしや逆か・・・。もしかしたらお互いそうかもしれない!どちらにせよ、応援してあげないと!

 この考えが後々あたしを苦しめるようになるなんて、この時のあたしは思いもしなかった。

 こんなことを考えていると利久斗が戻ってきた。そしてあたしは今たどり着いた考えを利久斗に話した。

 「・・・・って考えたんだけど絶対そうだよね!!」

 「・・・・・」

 利久斗はなぜかぼけーっとあたしを見ている。

 「ちょっと利久斗聞いてる!?」

 「あー、ごめんごめん。なんかさすがに可哀想だなって思って」

 利久斗が真面目トーンで言った。

 「ねぇ凛ちゃん」

 「なによ」

 「俺らって不憫だと思わない?」

 あたしの話は無視か。

 「俺らって誰よ」

 「まぁまぁ、そこはスルーして」

 スルーしてるのはあたしの話に対するあんたの行動だわ。

 「どこが不憫なのよ」

 むしろあんたがあたしに対する毎日のいじりを考えるとあたしの方が不憫であと思って欲しいくらいだ。

 「いや、同じ女の子を好きでめちゃくちゃアピールしているつもりなのに全然気づいてくれないとことかね。まぁ、あっちは素直になれず、ほぼ毎日ある人から般若を相手にしているかのような雰囲気で怒られているらしいけどね」

 「利久斗が真面目に好きでいる女の子がいたなんてあたし知らなかったわ」

 いつもふざけてばかりいるしね。