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「行ってきまーす」


「はよ」


家を出た瞬間に聞こえる声。


「おはよう」


先に隣の家を出ていたらしい哲二の姿。


そう言葉を交わし私は歩こうとする。と


「送ってこーか?」

“チャリン”と音をさせる。右手には車のカギ。ほら、どうする?といった感じに見てくる。


「いーよ。」


「どうせ、お前の学校に会社近いんだから遠慮すんなよ」


そう言って私の左手をとる。