それから、毎週のように日曜日になると、山や海に連れていってくれたハル。
風になびかれなから、ハルの体に手をまわす。
「落ちちゃう。こわい」
初めは本当に、バイクの後ろがこわかった。
「大丈夫。しっかり背中に手を回して」
そうして、私はハルの背中に抱きつく。
「ハルの背中、おっきいね」
バイクに乗るたび、背中に大きく手を伸ばし、ハルの後ろの首筋あたりをいつも見つめる。
その首筋に、ドキっとする。
それから、ヘルメットを取るときのハルの仕草が好き。
つむじが普通の人より下の方にある。
そんなハル自身も知らないハルを、一つずつ見つけく。
バイクで風になびかれ、ハルの体にいつも抱きついてた。
少しずつ、少しずつ、
大切な人だと感じ始めてた、あの頃…
どきどき…好きな気持ちが
少しずつ、大きくなってた。