「明日、病院いくだろ?学校に迎えに行く」
ハルからの電話。付き合って1ヶ月。
バイクで、学校までいつも迎えにきてくれる。
初めてハルにバイクに乗せてもらった時は、少しこわかった。
「制服なのに、スカート舞っちゃったらどうしよう」
学校の門の前で、待っていてくれたハルから、ヘルメットを渡される。
「大丈夫。あゆのパンツなんて誰も気にしないよ」
私は、ハルのお尻をパンと叩いて言った。
「絶対、転ばないでね。まだ、死にたくないから」
「当たり前だろ。早く、メット被れ」
そう言って、私に手渡したハルのヘルメットを再び手に取り、私に被せてくれた。
ハル自身は、友達から譲ってもらった古いヘルメットを被ってる。
何も言わず、そうしてくれる。
ハルの優しさが、嬉しかった。