私が高1、ハルが高3の秋…
ハルと私が出会い、恋が始まった。
ハルから電話をもらった時、私はお母さんが入院しているから、家事をしなきゃいけない日もあることを話した。
「あゆも…大変なんだ。病院行く日は言って。病院まで送るから」
ハルって、意外と優しい。
それに、声がすごくかっこよくて、私はハルからの電話が楽しみだった。
「親は大事にしないとな」
そればかり言ってくれる。その時、何故か私は、ハルの声が少し寂しそうに聞こえた。
「ハルのお母さん、どんな人?」
何気なく聞いた私に
「まぁ、また話すよ」
としか、その時は言わなかったハル。
本当は、まだ悲しみから抜けきれずに、もがいていた時期だったのかも…
また、私はハルを想い、苦しくなる。