待ち合わせは、恵美ちゃんの家から最寄りの駅だった。
電車で、30分かけて私は待ち合わせ場所に行った。
「あゆちゃん」
恵美ちゃんの声に振り向いたけど、恵美ちゃん一人だった。あれって顔してる私に、恵美ちゃんが微笑んだ。
「先輩、下の喫茶店にいる。行こう」
二人で駅の階段を降りて、喫茶店に向かった。
私、ファーストフードしか入った事ないから、なんか喫茶店て大人な感じがして緊張した。
「いらっしゃいませ」
お店の人の声が聞こえて、その後に
「こっち」
ハルの声、初めて聞いた。
ハスキーで…それでいて奥深い声。
ハル…。あの時から、私達、
始まったんだよね…