「私の中学の先輩がさ、私の鞄に入ってた入学式の写真をたまたま見ちゃって、あゆちゃんが気になるんだって。会ってあげてくれないかな」
恵美ちゃんの先輩…?
「それって、…男の?」
恵美ちゃんは、私の両肩をポンと叩いた。
男っぽい性格の彼女。
「あったり前じゃん」
「入学式の写真って…んー。あれ?私、あまり写りよくなかったはず」
私がそう言っても
「あゆちゃん、今、彼氏いないよね」
って、さっきの話、聞こえたみたい。
「あ…。でもヤンキーとか」
何にも考えず出た私の言葉。
でも、私なんか気になってくれる人がいるんだと思うと、少し嬉しい気持ちになってどきどきした。