なんで?
私は、悪くない。
なんで?
ハルの浮気を責められないの?
泣きながら、バイクのエンジンをかけた。
もう…ハルとは…さよならなのかも…
しれない…
ハルが…わからない。
ハルと私の…
この先…未来があるんだろうか。
涙が止まらず、信号の色がかすむ。
何も見えない。
ハルと私の未来…
ハルから…電話してこない…
ハルは、私と別れるつもりなのだろう。
それでも、私は、
ハルを失いたくない。
ハルの部屋へ向かう私。
インターホンを押すと、ハルは開けてくれる。
ほら…大丈夫。
抱いてって言ったら、ちゃんと抱きしめてくれる。
でも、表情のないハル。
「…私たち…別れないよね…?」
ハルの胸の中で泣くと
「…あぁ」
って、答えてくれた。ほら、大丈夫でしょ?
でも、ハルは抱きつく私の手を払いのけ
…私から離れて、すわる。
ハルからの電話を待った。
私からかけなくても、以前は毎日かけてきてくれた。
3日待って…
1週間待って…
かかってこない。
8日目に、別れの言葉を覚悟して私からかける。
普通のふりをして
「明日、行っていい?」
胸が張り裂けそうな…私は、ピエロ。
「…あぁ。待ってる」
ハルの行動と…返事のギャップにとまどう。
「…私の事、まだ好き?」
「そんなの…言わせるな」
「どっち?」
好きって…言ってほしかった。ハルの言葉は、私の胸に鋭くつきささった。本当に…割れたガラスが突き刺さるように、痛かった。
「…わからない」
わからない。涙がとまらなかった。
「しばらく会わないようにしよう。俺は俺で、大丈夫。…あゆはあゆで…好きなことすればいいよ…」
「会わないって、私と別れたいってことだよね?」
ハルの声は…それから聞こえてこなくて
ちいさなため息みたいな…声がした。
「明日、バイトの昼休みに行く。会って…」
ハルは…
「…そんな短い時間にきて、何になんの?」
明日の夕方まで待てなかった。
でも、今すぐ会って…今、別れになるのはこわい。
「お願い…ハル」
ハルは…その後
「わかった。でも、友達来てるかもしんない」
そういって、「じゃあ」と電話を切った。
不安で眠れなかった。
でも、もう限界かもしれない。はっきり聞きたい。
ハルの本当の気持ち。
私と…ハルはこれからどうなるのか
今日、今日会いに行かなければ、
ハルと私は終わってしまうのかもしれない。
そう感じた。会いに行かなければいけない。
それしか考えられなかった。