夜、ハルが帰宅する頃…ハルから電話があった。 「なんか、用事できた?」 ハルは普通にそう話し、口紅の煙草の事は何も口にしない。普通に考えて、私が見つけたことは気づいてるはずなのに… わざと…なのかもしれない。 ずるいハル。私から別れの言葉がでるように、そうしたのか…そんなことも考えてしまう。 私からは…何も聞けない。 ハルと別れるなんて 考えられない。 「ごめん。風邪気味で…帰ってきちゃった」 私はそんな嘘をつく。