私はおちつかなくって、一息つく間もなく掃除機をかけ始めた。
狭い部屋だから、真ん中のコンセントにさせば全部の部屋に一気にかけられる。
キッチン、リビング…トイレ。洗面所。
そして最後に玄関脇の寝室。
寝室に入って…私はまた凍りついた。
ベッドはホテルみたいに綺麗に整えられていた。
ハルが…こんなに綺麗に、するわけない。
私が生地を買ってきてミシンで縫った、ハルの好きなモノトーンのベッドカバー。
その中で…
ハルは…
私は涙がこぼれて、声を殺して泣いた。
誰もいない、ハルのその部屋で。
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