目を開けると、玲奈の顔があった。

「気がついたみたいだな」

玲奈の隣にいた谷木が言った。

「――ここ…?」

しゃべったとたんに、口に痛みを覚えた。

そうだ、男たちに殴られていたところを明菜に助けられたんだ。

状況を振り返っていた笙に、
「家よ」

玲奈が答えた。

笙は背中に痛みを感じながら、躰を起こした。

どう言う訳なのか、今度は自分はふとんの中にいた。

「大丈夫?」

玲奈が聞いてきた。

「――まあ、ちょっとはマシになった…」

笙は答えた。

しゃべるたびに口が痛くて仕方がない。