「私、初めて見た~。とっても綺麗。」



麻衣ちゃんが喜びの声を上げた。


大阪城公園。


雲1つない青空の下、私は新太郎さんと麻衣ちゃんと並んでベンチに座っていた。


見上げれば、金の鯱が太陽の光で輝いている大阪城。



「美紀、どうした?」



『実際に見たの初めてや。こんなにも、こんなにも綺麗なんて…。』



目をキラキラさせて大阪城を見つめる麻衣ちゃんの横顔を見て、思わず智君の横顔を重ね合わせた。



「ううん、なんでもない。」



新太郎さんは私の返事ににっこりと笑う。



「それにしても、麻衣ちゃん、ますます元気になって良かったね。」



私の言葉に麻衣ちゃんは大阪城から目線を向けてきた。



「ありがとう。きっとお兄ちゃんと美紀ちゃんが付き合う事になったから私も元気になれたと思う。」



「そっかぁ。」