「新太郎さん…、来てくれなくてもいいよ…。」



複雑な気持ち。


いくら麻衣ちゃんが元気になったって、傍に居たい思いはあるはず。


私は、愛と言う名の我が儘で、2人の仲を引き裂こうとしている。



「やっぱり私は最低だ…。」



小さく呟いた。



「最低なんかじゃないよ。」



私の呟きをかき消すように聞こえて来た声。



「遅くなってゴメンね。」



「どうして…。」



「ん?」



「どうして来たのよ!」



叫んだ時には私は新太郎さんの胸に飛び込んでいた。


涙が溢れて止まらない。


新太郎さんの胸元を拳で何度も軽く叩く。