放課後
高石は廊下でサッカー部の幽霊部員たちに練習に参加するよう必死にお願いしていた。
「あの~サッカーの練習しようよ」

「ごめん彼女と約束あるから」


「君達もサッカー部でしょ、練習しようよ」

「俺はいいよ…どうせ下手だし」
「俺は塾あるし…」


そんな高石を見て、無駄な努力だと思った。ここにいる連中はいい加減な奴ばかりだし、僕も何度も声かけたが、来る奴は誰一人いなかったからだ…



僕は帰ろうとしたが、みんなに断られ続けて落ち込んでいる高石に声をかけた。
「お前大丈夫か?落ち込んでるみたいだし。」

「俺の気持ちがわかってたまるか…」
高石の声はいつになく元気がない…

「わかるよ。俺だってサッカーがやりたくて入部したんだ。」

「なら何であっさりあきらめたんだよ?」

「仕方ないだろ……学校が決めたことだし…」
そう言うと、高石は何も言い返して来なかった…