僕は高石に連れられ、学校の屋上に来ていた。

「ほらほら見てあの人」
高石が指差したのは、引退したサッカー部の先輩だった。

「あっ小林先輩。」
小林先輩は中学校も同じで高校に入ってからも僕に優しくしてくれる先輩だった。

「お~来たか藤堂。話は聞いたぞ。サッカー部なくなるんだって?」

「はい…」

「お前キャプテンなんだろ。良いのかそれで?」
っと聞いてきたた先輩。
僕が答える前に高石が
「良いわけないじゃないですか。ねぇ先輩。」
っと言った。

「そうだよな。やっぱどんな手使っても潰させないよな。こうなったら教頭に、ビシッと言うしかないよな。」
「でもどうやって?」
僕は先輩に聞いた。

「朝の職員会議に乗り込んで、教頭に宣言するんだよ。サッカーやりますって。」

「良いですね」
っと先輩の作戦に賛成の高石。僕はちょっと強引過ぎると思ったが、上手く丸め込まれた。