6月中旬。



梅雨時期だ。



最近はずっと雨で、僕が所属してる
サッカー部も休みの日が続いた。





だけど今日は珍しく朝からずっと晴れていて
久しぶりに部活に励むことができた。



「よし、今日はここまでにしよー!
みんな片付け!!」



部長の言葉でみんなが片付けを初めて、

終わると部室へぞくぞくと入っていく。




僕も片付けを終えて、部室に入ると
部室には一人の女の子がいた。





「君、なにしてんの?」




同じサッカー部の直樹がその子に話しかける。

多分見た感じ1年生。




「あのー………」





女の子は小さく口を開いた。





「サッカー部のマネージャーやりたいなと思って来てみたのですが………」




その瞬間、直樹たちの目は変わった。




「マネ?
まじ、マネ? え、やってやって!」



「しゃー! 前のマネージャーやめたからさ、この子マネージャーでいいよな。部長!」





彼女がマネージャーになりたいと言うと

サッカー部の皆が騒ぎ始めた。



男子なら騒ぎたくなるような可愛さをもった女の子。

彼女は胸の高さまで伸ばした髪を2つにくるんと可愛くくくっていて
目は大きくまぁるい。 頬はきれいなピンク色。



可愛いけど、


ちょっと僕の好みではない。







騒がしい部室。



真面目な部長は困り始める。


でも、実際に今マネージャーがいなくて大変だから

部長もいい顔をして




「わかった。小野田先生に言ってみる。 君、名前は? 」



「1年1組 桜田 朱里 (サクラダ ジュリ) です!!!」








桜田朱里。




僕はその名前に違和感を感じた。




どこかで聞いたことのあるような………。