でも、さっきの僕は
なんだか不機嫌だったかも知れない。




試合中そんなことを思った。




なぜ不機嫌だったのかは
もうわかってる。




直樹が朱里ちゃんって桜田のことを呼んでたからだ。




わかってるけど、やっぱり認めたくなかった。







僕が好きなのは


成川先輩のはずだから。







試合は終わり、僕のミスで何度か
点を失い、僕のチームは負けてしまった。



だけど僕のなかに悔しさはなく、
ただずっと桜田と成川先輩のことを考えていた。

部室で着替えているときもずっっと。