「では、今日からうちのマネージャーを
やることになった桜田朱里さんね。 」



「桜田 朱里です! 頑張ります!」






顧問からの説明で
桜田がマネージャーになったことがわかった。




「やったー! 朱里ちゃん、よろしくねー!」




鼻の下を伸ばした部員が
桜田の周りを囲む。




「はい!」




笑顔でそういった彼女だったが、

僕にはどこか怯えているように見えた。






「大丈夫だった?
うちの部員、みんなアホだからさ。」



僕は部活中、隙を使って桜田に話しかけた。




「ちょっと怖かったです。
でも、ずっと先輩を見てられるマネになれてよかったです!」




直球にそういわれると
さすがの僕でも照れてしまう。



顔が赤くなったのがわかったのか
桜田はクスクス笑いながら
「先輩、試合始まりますよ。」
と言ってきた。



僕は汗をかいたときのように服で顔を隠しながら
直樹たちのもとへ戻った。




中学生かよ。
こんなに赤くなっちゃってよー。
はずかしぃ。




「おい、お前どこいってたんだよ。」


「別に…。」


「嘘つけ。朱里ちゃんと何話してたんだよ。」


「いいだろ。別に。試合はじまるぞ」




僕はそう言って
直樹たちの敵チームである赤のビブスを着て
自分のポジションにたった。