「だけど、久しぶりに学校に登校した日
先輩と出会いました。
私が下を向いて廊下を歩いていたとき
先輩とぶつかった。先輩はごめんと言ってきて
そのあと私を見た。
その瞬間、私は怖くなった。また、また、不機嫌にさせて
私はまた、女子生徒に憎まれて…………
そう思った。
だけど先輩は
『大丈夫? 下向いてると危ないよ。』
そう言いました。
そのまま一緒にいた友達と階段を下りていった。
私は、先輩の後ろ姿をずっと見つめていました。
一目惚れしたんです。
先輩にとっては大したことではないかもしれない。
でも、私にとっては先輩が奇跡の人でした。
ずっと好きです。
」
透き通る彼女の声。
僕はその瞬間
ササユリの蕾が開くのが見えた。