そう……。
仕事が忙しいのは知っている。


だけど、こうして二人だけで会っている時ぐらいは、あたしだけを見てほしい。


「ねえ、今日の格好どう?」


いつもと違うことに気付いてほしくて、我慢出来ずに聞いてしまった。


一瞬、こっちを向くそぶりを見せた後に、笑顔で答える愁ちゃん。


「ああ、可愛いよ」


でも、愁ちゃんの視線はあたしを見ていなかった。


……嘘つき。