ホワイトパールのミニバンに乗り込むと、車は郊外に向かって走り出す。


車内には会話の邪魔にならない程度の音量で響く流行りのJ−POP。
薄手のジャケットを着ている愁ちゃんの腕が、軽やかにハンドルを操作する。


「久しぶりだね」


信号で止まったタイミングで話し掛けた。


「そうだね。なかなか会えなくて悪いな」


小さく首を振る。


「ううん、忙しいんでしょ。仕事」