そんな、はじめて見る冷泉くんに。



あたし、すごく、ドキドキしてる。



胸が〝きゅんきゅん”って痛いくらい。



「大熊さん……」



すぐ近く。



右隣から、冷泉くんの低い声がする。



でも、あんなやりとりの後だもん。



返事なんかできないよ。



だから、一生懸命黒板を見つめる。