「あーあ。
でも。
もっと早く自分の気持ちに、気付いていればよかったな」



ようやく泣きやんだあたしに、星ちゃんは、ちょっと悔しそうな視線を向けた。



「近くにいすぎて、わからなかった。
近くにいるのが当然で、気づけなかった」



ぷぅーっと、コドモのように、ふくれっ面をして見せる。



「そうすれば。
あんなヤツに、花をとられることがなんかなかったのに」



その様子がなんかかわいくて、不謹慎かもしれないけど、あたしはちょっと笑ってしまった。



「星ちゃんっ……」