それもそのはず。



あたしの机に、冷泉くんの机がくっついている。



さっきのガガガガ……っていう音は、机を移動させた音だったんだ。



「教科書、見せてほしいんだろ?
どうぞ」



教科書がスッと差し出された。



大きな手と冷静な低い声にドキドキする。



「あ、あ、あ……。
ありがとう……」



どもっちゃった。



恥ずかしい……。