「え?
なに?」



と口に出した瞬間、すぐそばを車が走り去っていった。



「だーかーら。
おまえは、こっちを歩けって言っただろ」



グイッとあたしを道路端に寄せる。



「左側がいいとか、こだわってんな」



ピリッと鋭い声が怖い。



でも、ソレは。



あたしのことを心配してくれるから。



「…………」



冷泉くんは、やっぱり優しい。