気づかれないように、冷泉くんから離れよう。



気づかれたら、またあたしに、傘、寄せてくれるでしょ?



そう思って、フラッ~と、さりげなく左に寄った。



「だーかーら。
もっとこっちに……」



あたしの行動に、すかさず気づく冷泉くん。



さっきと同じセリフを言った。



と思ったら……。



次の瞬間、グイッとあたしの腕を引っ張った。



「バカッ!
危ないっ!!」



っていう言葉と同時に、グッと力強く抱きしめられる。