ぼんやりと、そのときのことを思い出そうとした。



その前に、



「ね、花ちゃん」



と、シャツをりおちゃんに引っ張られた。



「フラれたって聞いたけど。
それ、本当?」



「……え?」



「どう考えても。
星くんって、花ちゃんのことが好きに見える」



「……えっ?
まっさか~」



「あははっ」と笑い飛ばしたあたしの耳に、りおちゃん以外の声が聞こえた。