りおちゃんは、ぺろっと舌を出した。



それからガタンとイスごとあたしに近寄った。



「でもさ、花ちゃん。
信じられないんだもん。
そりゃ~びっくりするよ~」



「え?
なにが?」



「え~?
なにが? じゃないよ~。
昨日、さんざん言われてたじゃん。
『おまえ、なんで、俺を見なかった?』とか、
『俺を見ない花って、けっこうムカつく』とか」



「あ、ソレ」



「まぁ、星くんがカッコいいのは認めるけど。
『花は、いつでも俺のことを見てれば、それでいーの』とか、
『さっきみたいなこと、もーすんなよ』
……なんてセリフは、ありえないよ~」