「ここだったら……。
少しは、見えるかな」



ひまりちゃんが立ち止まったのは、青葉学院のベンチがあるあたり。



まだ試合は始まっていないみたい。



青葉学院と、星ちゃんのいる西南高校に分かれて練習している。



「えー、でも。
暇な人間もいるんだね~」



ひまりちゃんは、応援らしき青葉学院の女子に、チラチラ目を走らせた。



「あたしにとっては、こんなの。
面倒以外のなにものでもないんだけど」



毒舌を通り越して、もはやグチに変わっている。