それから数時間後ーー


「んーーー!終わったー」



「お疲れさまです。お嬢様、波風陸様の情報を入手できました。」


……これ、やっちゃいけないことだと思うんだけど。


九条家の権力フルに使ったんだ……。


そこまでしてくれなくてもよかったんだけど。



青山から手渡された資料に目を通していく。


波風陸
成績優秀、文武両道、容姿端麗。
性格は誰にでも優しく王子気質。
教師やクラスメイトからの人望も厚い。
ちなみに木林みちるとは従兄弟同士。



……。
なんかこれだけみると裏があるっぽい。


そして2枚目に目を通す。



……が、波風陸の表の姿である。
しかし、実際は自分勝手で意地が悪く女嫌い。
全てがなんでも完璧にできてしまうので毎日がつまらない、とよくボヤいている。
そして中学の時から空き教室で女を抱いて自分の性欲を満たしている。


……やっぱりね。

しかも、最低中の最低男。

性欲満たすためだけに女の人抱く⁉︎⁉︎

しかも何でも完璧にこなせるって‼︎‼︎‼︎

ますますむかつく。


……あ、そう言えば。
今日の朝もいたっけ?
教材準備室で女子生徒抱いてる人。


確かその人の名前も……"りく"



……偶然……よね?

じゃないと困る。


次あの人にあったら何されるか……。


ああ、想像しただけで身震いがする。