「え、あ、よろしく。私は…」

「悠羅ちゃんでしょ?」

え、なんで私の名前……?


って思ったけど次の一言で納得した。


「新入生代表挨拶するなんてすごいねー」


「そんなことないよ…」

……入試問題が簡単……なんてことは言わないでおこう。


「で、隣りの子気になる?」

そう言って再び本題に戻る。


「気になるっていうか、あんだけ騒がれてるから」


HRが終わったのにほとんどの子は残って"波風くん"の登場を待っている。


「あいつの人気も相変わらずか」



……あいつ?


え、知り合い?


そう聞こうとしたができなかった。


「「「「きゃーーーーー」」」」



女の子特有の黄色い声が教室中に響いたから。




「げ。悠羅ちゃん行こっ」

「え?っちょ!」



結局"波風くん"の正体は掴めないまま私はみちるちゃんに連れ出された。