健は電車のつり革に摑まりながら
考えていた。

(別れるどころか、またキスをして
しまった。

あれだけ自己嫌悪になり、淳ちゃんを
まともに見ることさえ出来なかった
のに、青山先生に手を握られただけで
簡単に考えを覆してしまうなんて、
俺は馬鹿すぎて本当に情けない。

来週はこの勢いだと、さらに関係が
深くなってしまうかもしれない。

自分の学校の教師と肌を合わせて
しまうかもしれない。

女性というものを全て
知ってしまうかもしれないんだ)