亜子は答えにつまりうな垂れる健の
左手の上に自分の手を重ねた。

「強制的に連れてきていないという
ことは、健君の意思で亜子の部屋に
来たということでしょう。

そして何より亜子は健君が好き。

そして健君も亜子に『好き』って
言ってくれた。

そんな二人が互いの気持ちを確認
する為に唇を重ねるのは自然の行為でしょ。

どこにも異常な行為なんてないわ」

健は一切反論出来なかった。

亜子は健の両肩に手を置くと健を
静かに押すと健の体の上に自らの
体を押し付けるようにしてから
健の唇を奪った。