「もしかして友達いないとか?」

『………』

「ねぇ、聞こえてる?」


不意に肩を叩かれた。


『ちょっと、触んないでよ。』


怒って顔を上げた私に、その男はニコッと笑って


「俺、杉崎洋介。よろしくね。」


握手を求めてきた。


怒っていたハズなのに、私はその笑顔にコロッと落ちてしまった。


『園田…沙羅。』


街で声をかけられたって名前なんか教えないのに、洋介には教えていた。


これが私と洋介の出会い。


それからの私達は、屋上でよく話をするようになった。