それから数日後。


また雨が降った。


いつものように幸成を待って、


いつものように呆れられて、


いつものように傘に入れてもらう。


バスを降りても雨が降っていて、私の左側は雨に濡れている。


ここまではいつもと同じだった。


違うのは幸成の家の前に真っ青な雲一つない空色をした傘をさしている女の子が立っていた事。


私達に気付きその女の子は、


「幸成くん…」


雨の音に掻き消されてしまいそうな声でポツリと呟いた。


幸成は「どうしてここに居るんだ」という目でその子を見ている。