「ギャハハハ、勇心バカだ。」

「寝ぼけてたんだって。」

「ギャハハハ。」


高校に入学して早1ヵ月。


友達も出来たし、クラス仲も割りといい。


朝のHRが始まるまで、みんな思い思いの時間を過ごす。


教室内はガヤガヤと騒がしいのに、あの人の声はハッキリと聞こえる――


私は小松 香澄(こまつ かすみ)、15歳の高校1年生。


どちらかというと大人しくて、まだ恋をした事がない。


「勇心達っていつもバカ騒ぎしてるよね。」


あの人達のグループを見ながら私に声をかけてくるのは、友達の久保みのりちゃん。


通称、みっちゃん。


私とは正反対の性格で、明るくて誰とでもすぐ友達になっちゃう。