バンッ!


ノックもせずよしくんの部屋を開けた。


「那波、ノックぐらいしろよ。」


私が来るのを予想していたのか、よしくんはいたって冷静。


『結婚するってどういう事…?彼女はいないってずっと言ってたじゃん。』


私はポロポロ涙をこぼし、よしくんに詰め寄る。


「ごめん。嘘つくつもりはなかったんだけど…。」

『私がよしくんの事好きなのだって気付いてたんでしょ?

何で本当の事言ってくれなかったの?』

「俺にとって那波は、妹みたいで大切な存在だったから。

傷付けたくなかったんだよ。」