私は真顔を意識して話を続けた。


「で、出てないよ…!そっ、それより、いつが空いてる?私は基本暇だから、鈴屋君の部活がない日とかに合わせるよ」


「先輩がそう言うなら、出てないのかもしれませんね」


鈴屋君は薄く笑う。

絶対バカにしてる…。


「そうですね…明後日はどうですか?明日が大会なんで、ちょうど明後日が休みなんです」


私は頷いた。


「ありがとう!でも、大会なのに疲れてない…?」


「大丈夫っす。大会の次の日は、基本自主練してるんで」


す、すごい…。

水泳バカ…?


「水泳バカじゃないですよ。場所は市民プールとかでいいですか?」


なんでまた!?


私は一歩鈴屋君から離れる。

近づいてると、ますます心を読まれそうだから。


「う、うん。それでいいよ」


私は返事をすると、鈴屋君に別れを告げて部屋に戻り、友達に電話をかけた。