「だって、二人きりになれる機会なんて、滅多にないから」



このチャンスを逃したくなかったんだ、と付け足して笑う榊くんは、いつもの榊くんだった。



「よし、回復した。また勉強、教えて?」



机に向かいシャーペンを持つ榊くんに、私は徐ろに頷いた。



なんだろう、この感じ。



私はぎゅうっと、胸を抑えた。