そう少なくとも、私は思うんだけど。



不意に思い浮かんだ、榊くんの姿。



って、なんで今思い浮かんだ?!



……まあ、榊くんはちょっとやそっとで人を恨むなんて、ないだろうけど。



「なに?恋の悩みかなーん?」



「わ、バカっ…違うよ」



いきなり背後から抱きつかれて、慌てて振り向く。



声でわかる、この口調は来夢だ。



「榊くんってさ、やっぱ紗倉のこと好きなのかな?」