「もう行ったよ。花ブーと2人で」

てんぷらを食べていた常盤は、そう言いながら海老のしっぽを皿の上に置く。

「マジで?」

てっきり2人もまだだと思っていた俺は、その言葉にがっかりした。

2人だけで行ったことを申し訳ないと思っているのか、花は気まずそうな表情を浮かべている。

「そっか。なら、俺は明日……友達でも誘って、行ってこようかな」

勝手に1人で決めていたことだし、2人を責めるつもりもなかった。

だから、俺は花に気を遣わせないように、平気な素振りを見せる。

「あ、あたし、もう1回……行く!」