「今、陽平ちゃんのこと考えてるっしょ?」

食べ終わった彼は、空になった紙袋をタオルのように絞りながら、にんまりした表情で話しかけてくる。

何を言い出すのかと思えば、またその話? 本当、いい加減にしてほしい。

「しつこいよ。あたしと陽平はそういう関係じゃないって言ってるじゃん」

並んで歩くのも嫌になり、立ち止まって彼を睨んだ。

「え、なんで怒ってんの? 俺、普通に考えてたか聞いただけなんだけど」

キョトンとした顔で、首を傾げる千草。

……しらじらしい台詞。絶対、そんな風に思ってなかったくせに。