「あー、だからかぁ。今、納得した。家具とか妙にしっかりしたものを置いてるなぁ、って思ってはいたんだけど。……へー、あの陽平ちゃんが結婚してたとはねぇ」

案の定、千草は驚いていた。

離婚の理由まで聞かれたが、さすがにそれ以上のことは言うべきじゃないと思い、あたしは適当に流した。

「ふーん」

前を向くあたしを、ニヤニヤした目で見つめてくる千草。

「何?」

じろりと睨んで問いかける。

すると、彼は口の両端をクイッと上げた。