一緒にTVを眺めている千草は、文句を言ってたくせに残さず、全部、食べてくれた。

しばらくして、千草は掠れた声を漏らしながら背伸びをする。

「初詣にでも行く?」

正月番組に飽きたのか、TVから目を逸らした彼は、壁にかけてある時計を見上げながら声をかけてきた。

テーブルにひじをついて、暇を持て余していたあたしは、口を尖らせて返事に悩んだ。

初詣には行きたいけれど、一緒に行くのが千草なのはちょっと嫌だなぁ。

「そんな、あからさまに嫌な顔すんなって。鍵を持ってんのは花ブーだけなんだし、一緒に行こうぜ」